遊びの重要性
遊ぶことと勉強することは対照的で二者択一のように考えられがちですが、そうでないこともよくあります。
特に低年齢では、遊びの延長線上に学びがあるとスムースに勉強できる、というのはよく言われることです。
高校生くらいになっても遊びの経験が学びに直結することはあります。
今日はこのことについてです。
過去に高校生(Aさん)を指導していた時の話です。
数学の確率の授業でAさんから「問題文の意味がわからない」という質問がありました。
その問題文は以下のようなものでした。
太郎くんと花子さんが繰り返しゲームをします。
引き分けはなく、それぞれが勝つ確率は2分の1ずつです。
先に3回勝った方が優勝とします。
ゲームが4回以上続く確率を求めなさい。
この問題文のどこの意味が分からないのか具体的に聞き取ってみた結果、3回勝った方が優勝なのに4回以上ゲームが続く意味が分からない、ということでした。
問題文の設定としては実際によくある対戦型です。
例えば野球の日本シリーズだったり、卓球やバレーボールやテニスなど枚挙に暇がありません。
これらの部活に所属していたり、スポーツ観戦が好きであれば、例えば「太郎2勝花子1勝となれば次が4回戦」という風に具体的に想像できると思います。
しかしAさんは運動部の経験が無く、スポーツ観戦も(テレビ含めて)一度も無かったのです。
これらの経験が少しでもあれば問題文を理解できていたかもしれません。
スマホ全盛期の今、家族でテレビを囲んでスポーツ観戦するという娯楽の機会は減りつつあるかもしれませんが、遊びが勉強の役に立つという一例です。
極端な例ではありますが、勉強する上で(遊び以外含め)実生活での経験が大事だと実感する場面にはよく出くわします。
特に理科の場合はこの傾向が大きいように思います。
理科についても(気が向けば)載せてみようと思います。
塾講師が「遊びなさい」というと暴論のように聞こえますが、幅広い経験は様々な助けになります。
以前、最難関私立大学の教授が「東大は勉強しかしてこなかった大変な苦労人が通う大学」と皮肉交じりに話されていたことがあります。
賛否ありますが、いろいろな経験を積んでほしいという視点からすると納得できる内容だと思います。
多様な体験は勉強だけでなく、人間性の幅をも広げると思います。
受験生は時間的な制約があるので難しいかもしれませんが、上手く時間を見つけて「遊んで」ほしいと思います。